ロレックスは、スイス時計メーカーの中でも伝統があり最も知名度の高いブランドの一つです。現在ロレックスの最も複雑な時計といえば、アニュアルカレンダーを搭載したロレックス スカイドゥエラーやクロノグラフウォッチのコスモグラフ デイトナを挙げる人もいるでしょう。
今回は、カスタムウォッチを製作するラベルノワールデザイン(Label Noir Design)という会社が新たにリリースしたロレックスのトゥールビヨンモデルをご紹介します。
高級時計のカスタムがトレンドに
高級時計業界では、いくつもの小さな企業によるカスタムウォッチがトレンドのひとつとなっています。最も有名なのは、Bamford Watch Department(バムフォードウォッチデパートメント)で、現在はLVMHの公式パートナーとなりタグ・ホイヤーやゼニスといったブランドの時計をカスタムしています。
多くの人にとって、購入したばかりの高級時計をカスタムし何かを変えるという考え方は、馴染みのあるものではありません。また一方で、細かなアレンジを追加することでより自分の理想の時計に近づけると考えている人たちも少なからず存在します。
ロレックスは、カスタムウォッチの中でも特にカスタムの対象となる時計の一つです。バムフォードやその他の多くのブランドもロレックスにダイヤモンドを使った装飾を行ったり、カラーコーティングや文字盤のカスタマイズからベルト、そしてなんと機能まで変えてしまうものもあります。
ラベルノワールデザイン(Label Noir Design)は、2011年に設立されたカスタムウォッチのメーカーでロレックスのトゥールビヨンカスタム「Rolex Milgauss 116400 LNT01HS」をリリースしました。
トゥールビヨンを製造しないロレックス
ロレックスは、デザインはもちろんですがどちらかといえば、より機能性を重視したツールとしての時計を生産するブランドです。例えば、他のブランドではよく見られるケースバックが透明になり中のムーブメントを見ることができるトランスパレントバック仕様は一切採用されていないブランドです。そんな部分からもトゥールビヨンというそれほどまでに実用的ではない超複雑機構を製造しないことは頷けます。
トゥールビヨンを搭載したロレックス ミルガウス
トゥールビヨンが搭載されたのは、ロレックスのミルガウスというモデルで匿名のクライアントからの希望によるものでした。ムーブメントは取り払われず、既存のロレックスキャリバー3131にコンポーネントを追加し改造されました。そのためベースとなったオリジナルのロレックスのシリアルナンバーはそのままに非常に高度な技術をもって改造されたことは明らかです。
しかし、ムーブメントの駆動部分はトゥールビヨンに置き換えられています。ムーブメントの51ものコンポーネントが撤去され、2つを修正、94個が新たに追加されています。また、トゥールビヨンを適切に作動させるためにムーブメントの振動数を4Hzから3Hzに変更しています。
オリジナルのミルガウスはステンレススチール製ですが、ラベルノワールはこれにADLCコーティングでカラーをブラックに変更しました。時計のサイズは一切変更されていません。文字盤と針もオリジナルを使用していますが、文字盤については色が変更されロレックスの文字の下に"Label Noir"の文字が記載されています。また6時位置にはトゥールビヨンのための窓も開けられました。
公式に受け付けているものを除いては、ロレックスやその他多くのブランドはこういったカスタムをあまり受け入れる傾向にあるとはいえません。法的に問題のない行為のため特に取り締まられるといったこともありません。また、時計を所有している人の仲には自分の時計をカスタムしたいと思っている人達がいるのもまた事実です。
ちなみにこの時計に興味がある人のためにお伝えしておくと注文してから手に入るまでの納期は3カ月とのことです。
公式サイトへは以下リンクからアクセスできます。
Black Rolex DLC/PVD Custom Watches - Label Noir Design
※画像はすべてLabel Noir Design 公式サイトより
公式動画
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