フレデリック・コンスタントからこれまでにない新しい時計が登場したのでご紹介します。
フレデリック・コンスタントとは
フレデリック・コンスタントは、1988年に創業したスイスの新興時計メーカーです。創業からわずか30年の間に文字盤側からテンプの動きを楽しめる"ハートビート"の考案、ムーブメントから自社で一貫製造する所謂マニュファクチュール体制の構築やスイスメーカーとしてのスマートウォッチ参入など数々の取り組みに挑戦するブランドです。
ギョーシェ彫りや青針を多くのモデルに取り入れ、正統派で高級感のあるスタイリングですが『手が届くラグジュアリー』をモットーに高品質な時計を適正価格で提供するウォッチメーカーとしても有名です。
また最近のニュースでは、2016年に日本のシチズン時計株式会社に買収され大きな話題となりました。
機械式時計とスマートウォッチの融合
今回ご紹介するFrederique Constant Hybrid Manufacture(フレデリック・コンスタント ハイブリッド マニュファクチュール)は、機械式の自社ムーブメントを搭載した全く新しいスマートウォッチです。42mmのケースには、ぱっと見てとても正統派な文字盤にスマート機能が搭載されているように見えます。そしてムーブメントは、文字通り機械式の自動巻きにバッテリー駆動のデジタルモジュールが統合されたものです。
機械式時計としての機能は、文字盤上に時間と日付表示のみの比較的シンプルでスタンダードなレイアウトになっています。そして一方のスマートウォッチ部分は少し複雑になる部分です。活動量計、睡眠記録やフィットネスコーチなど通常のスマートウォッチとしての機能はもちろん時計の精度計測機能やワールドタイマーといった特徴的な機能も搭載されています。全てのスマート機能は、iPhoneの専用アプリでコントロールすることができます。
フレデリック・コンスタントは本モデルを4種類から展開し、うち1つは888本限定モデルとなります。価格は、ケース・文字盤によって日本円で約35万円〜40万円程度での展開になる予定です。
ハイブリッドマニュファクチュールの重要性
スイスの時計産業は、スマートウォッチがただの流行だけでないことをかつてクォーツ時計の存在を蔑ろにし大打撃を受けたことから学んでいます。
フレデリック・コンスタントのスマートウォッチ部門はシチズンによる買収内容には含まれず、MMTという独立した企業として切り離されました。しかしハイブリッドマニュファクチュールをコントロールするiPhoneアプリには多くのMMTの技術が見受けられかつての親会社と今も協力体制にあることが見受けられます。
あなたが腕を通したくなる時計かどうかは別として、スイスの時計メーカーから今後どんな時計が展開されるのかを想像させる非常に興味深い一本であることは間違いないようです。30万円台という価格設定は通常のスマートウォッチと比較すれば確かに高価格帯ではありますが、スマートウォッチユーザーと高級時計ユーザーの双方を互いの領域に引き込む魅力があるかもしれません。
実験的側面の強い時計
この時計は、比較的実験的な側面が強いように思います。
デザインは、フレデリック・コンスタントらしくオーソドックスにまとまっており、ギョーシェをあしらった文字盤など一見スマートウォッチらしさが前面に出ていないことも元来の機械式時計好きからすると高ポイントです。
現状は対象となるターゲット層が小さかったとしても、自動巻きとスマートウォッチ融合の先駆者としてフレデリック・コンスタントのこのハイブリッドマニュファクチュールは非常に大きな意味のある物となりそうです。
基本情報
ブランド: Frederique Constant (フレデリック・コンスタント)
モデル: Hybrid Manufacture(ハイブリッドマニュファクチュール)
リファレンス番号: FC-750MC4H6 (ステンレス, シルバー文字盤)、FC-750MC4H4 (ローズゴールド、シルバー文字盤)、FC-750MCN4H6 (スレンレス、ネイビー文字盤)、FC-750DG4H6 (ステンレス、グレー文字盤)
ケースサイズ: 42mm
ケース素材: ステンレス、ローズゴールドメッキステンレス
防水性: 50m
ムーブメント情報
キャリバー: FC-750 マニュファクチュールハイブリッドキャリバー
パワーリザーブ: 機械式は約42時間、スマート機能は7日間
駆動方式: 自動巻(スマート機能は充電式)
振動数: 4hz 28,800振動/時
石数: 33石
価格
定価: $3,495(ステンレスケース、シルバー文字盤/ネイビー文字盤)、$3,595(ステンレスケース、グレー文字盤)、$3,795(ローズゴールド、シルバー文字盤)