「はじめての機械式時計におすすめの時計は?」と聞かれることがあれば、私はセイコー5(セイコーファイブ)の名を上げることが多いです。何故かと言われれば、コストパフォーマンスの高さからです。
今回は、国内外の多くのファンから愛される「セイコー5」の魅力や人気モデルをご紹介します。
- セイコー5ってどんな時計?
- セイコー5の「5」が持つ意味とは
- セイコー5のムーブメント「7S26」とは
- セイコー5の腕時計おすすめ人気ランキング6選
- セイコー5の選び方
- セイコー5はカスタムも楽しめる
- まとめ
- あわせて読みたい
セイコー5ってどんな時計?
出典: https://watch.daizukan.net/
セイコーといえば、1881年に創立された日本を代表する時計ブランドです。セイコー5は、そのセイコーが1963年から現在に至るまで生産・販売している腕時計ブランドです。
セイコー5は、過去には日本向けのラインナップも存在していましたが、現在は日本の顧客向けではなく主に途上国向けに制作されている自動巻きの腕時計のシリーズです。
価格相場は、1万円台〜高くても2万円程度で購入することが可能でそのクオリティの高さに定評があります。
ケースバックは、トランスパレントバック(裏スケ)のものが多いので特に機械式時計初心者の方には楽しめる仕様です。
セイコー5の「5」が持つ意味とは
出典: https://museum.seiko.co.jp/
「セイコー5」のブランドネームは、5つの特徴から命名されています。この5つは時代によって付加価値も変わるためその時によって異なるといいますが、現在もよく伝えられているのは、以下のとおりです。
- ダイヤフレックス(切れないゼンマイ)
- ダイヤショック(セイコーの耐震装置)
- 自動巻き機構
- 防水機能 10気圧防水(生活防水)
- 一つ窓のデイデイト表示
ここからそれぞれ詳しく見ていきましょう。
ダイヤフレックス
ゼンマイは機械式時計の動作の基本となるパーツで、動力源となる非常に重要なパーツです。これがへたってしまうことで精度が悪くなり、また切れてしまうことで時計が動かなくなってしまいます。ダイヤフレックスは、これを解決するためにゼンマイの素材新しくとして採用された「切れない・へたらない」特殊合金で一般的には、ダイヤフレックスは、切れないゼンマイとして認識されています。
ダイヤショック
出典: https://museum.seiko.co.jp/
先のダイヤフレックスによりゼンマイの品質を高めるだけにとどまらず、セイコー5では、ダイヤショックという衝撃を吸収する装置が採用されています。腕時計を落としてしまった時の衝撃によって止まってしまったりすることの無いように改善されています。
自動巻き機構
出典: https://museum.seiko.co.jp/
セイコー5の自動巻き機構には、1959年にセイコーが開発したマジックレバー方式が採用されています。
当時は、自動巻きは部品数が多く複雑な傾向にあり高価だったため手巻きが主流でした。そのため自動巻きムーブメントを搭載しているということ自体が付加価値となっていました。マジックレバーは、部品数が少なくシンプルで信頼性が高いムーブメント方式です。この機構によって自動巻時計ながら価格を抑えた時計を実現しました。また、ローター(振り子)が左右どちらに触れても巻き上げが可能で、巻き上げ効率が良いという特徴も備えています。
防水機能
今では腕時計に当たり前の様にある防水機能ですが、かつては時計は水に弱いものという認識のほうが当たり前でした。セイコー5は、若い世代に向けたモデルでどこでも使える腕時計として防水機能を全てのモデルに採用しています。基本的に10気圧防水の生活防水性能があるため、普段使いしやすい時計であるというのもおすすめのポイントです。
一つ窓のデイデイト表示
デイデイトは、曜日と日付を表示する機能のことです。当時は、曜日と日付を別々の位置に表示していましたが、セイコー5では、3時位置の1つの窓に納めることで非常にすっきりとしたデザインになっています。
曜日の表示は、「日本語と英語」の表記が多かったのですが、先述の通り海外を中心にしたモデルでもあるため現在流通しているものは、基本的に英語とその国の言語(例えばアラビア語など)の表記が多いです。
セイコー5のムーブメント「7S26」とは
基本的にセイコー5で使われているのは、「7S26」と呼ばれる自動巻きムーブメントです。1996年にはじめてリリースされたムーブメントで、日本やマレーシアで製造されています。
現在、安価な腕時計といえば、クオーツ時計が主流ですが、電池が手に入りにくかったり、修理やサポートが追いつかない場合でもメンテナンスなしで長く使えることから自動巻きのセイコー5は人気を博しています。通常のムーブメントであれば、3年〜5年ごとのオーバーホールが必須と言われていますが、このムーブメンであれば10年は持つとも言われています。
また、7S26ムーブメントはありふれたムーブメントなのでセイコーの公式サポートでも街の時計屋でも受け付けてもらうことができます。ただ時計そのものが安価なため新しく購入し直すといいうのも手かもしれません。恐らくセイコーに出せば分解製造などはせずにそのまま新しくムーブメントを載せ替えているのではないでしょうか。
パワーリザーブは、41時間超あるため普段使いにうってつけのムーブメントといえます。もちろん先程『セイコー5の「5」が持つ意味とは』でご紹介したダイヤフレックスなどの機能も全て揃っています。
ちなみに7S26は、手巻き機能は着いてはいませんが、マジックレバー方式であるために巻き上げ効率は良く非常に実用性が高いです。同様に時刻合わせの際に秒針が止まるハック機能はついていませんが、こちらも機械式時計のエントリーモデルとして、遊び用の時計として精度を秒単位で求めなければ何ら問題はないかと思います。
セイコー5の腕時計おすすめ人気ランキング6選
6位: セイコー5 SNK607K1
出典: https://www.lelong.com.my/
文字盤は、ダイヤカットの装飾が施されており、ドレスウォッチ感がありながら赤い秒針がスポーティなセイコー5です。
5位: セイコー5 SNKE01JC
ブラック文字盤にベゼルのデザインが特徴的なセイコー5です。どことなくロレックスのエクスプローラーIIに近い雰囲気がある時計ですね。
4位:セイコー5 SNZG09JC
シルバーの艶消しのケース、カーキ色の文字盤に同じ色のナイロンベルトが特徴的なミリタリーテイストのセイコー5です。文字盤に段差が付けられており立体的に見え、また秒針の先端が赤くアクセントになっています。
3位: セイコー5 SNZH53
出典: http://www.timetechtalk.com/
爽やかなネイビーのベゼルと文字盤が高級感のあるスポーツタイプのセイコー5です。重厚感がありビジネス使用も可能ですが、やはり夏にTシャツにあわせて着用するのがおすすめです。
2位: セイコー5 SNZF17
正統派のダイバーズウォッチデザインが非常に人気のセイコー5 SNZF17です。ロレックスのサブマリーナを彷彿とさせますね。もちろんスーツでもカジュアルでも活躍します。夜光塗料もしっかりと塗布されているので夜間の視認性も抜群です。
1位: セイコー5 SNKL23
出典: https://forum.donanimhaber.com/
ドレッシーなスタイルのセイコー5です。文字盤が非常に雰囲気が出ています。リューズが4時位置に隠されており、手首に当たることもなく、また上から見た時にシンメトリーなデザインになっています。シンプルなデザインでどちらかといえばスーツスタイルや綺麗めな格好によく合う時計です。様々な革ベルトにもあうのが高ポイントです。
セイコー5の選び方
出典: https://forums.watchuseek.com/
セイコー5には、いくつものスタイリングがあるのが特徴です。ドレスウォッチタイプはもちろんのこと、ミリタリーやパイロット、ダイバーズスタイルの時計まで様々です。着用シーンや好みのスタイル(見た目)で選ぶのがまずは基本の選び方と言えると思いますが、好みの種類から探すというのも良いかも知れません。
セイコー5の種類
さらにセイコー5は、スポーツマチックファイブやファイブスポーツ、ファイブアクタス、ファイブスーペリアなど本当に様々なシリーズがあります。すでに生産終了しているシリーズも多いですが、それぞれのシリーズに特徴があるため好きなシリーズから選ぶのも一つの方法です。
スポーツマチック・ファイブ(Sportsmatic 5)
1963年に発売された記念すべき最初のセイコー5です。その後のセイコー5シリーズのルーツとなりました。
この一つ前のシリーズにファイブのつかない「スポーツマチック」と呼ばれるものがあります。特筆すべきは、各パーツを支えるブリッジ(受け)を通常複数持つところ、生産効率を上げコストを下げるためにブリッジを一体化している点です。そのスポーツマチックにカレンダーを着けたムーブメントCal.6606を搭載したものがスポーツマチックファイブです。
スポーツマチック・ファイブデラックス(Sportsmatic 5 DX)
1964年に発売された初代モデルであるスポーツマチック・ファイブの上位機種です。文字盤にもDeluxe(デラックス)の文字が記載されていました。上位機種となり何が変わったのかといえば、それはムーブメントにありました。スポーツマチック・ファイブには、Cal.6619Aという21石のムーブメントが搭載されていました。そしてデラックスシリーズには、23石の新しいムーブメントCal.7606Aが搭載されるようになります。翌年の1965年からは25石のCal.7619Aというムーブメントも登場します。
ファイブ(5)
ファイブシリーズの顔とも言えるセイコーファイブは、1967年に発売が開始されました。この頃から70年代まで販売されていたものと現在販売されているものはそもそもの質も違うため別物として認識しておくと良いかと思います。
ファイブデラックス(5 DX)
ファイブデラックスは、時刻設定時に秒針を止めるハック機能を搭載したファイブの上位機種で同年1967年に発売開始されました。
ファイブスポーツ(5 Sports)
ファイブスポーツは、1969年に発売されました。ムーブメントは、Cal.6119が搭載されていました。
ファイブスポーツスピードタイマー(5 Sports Speed Timer)
ファイブスポーツスピードタイマーは、1969年に発売開始された国産初の自動巻きクロノグラフでCal.6139が搭載されていました。その翌年1970年には、Cal.6138を搭載したモデルが登場します。当時のハイスペックモデルではありますが、同時に国産初でもあったためそのクロノグラフ自体が弱点でもあります。もしヴィンテージウォッチとして手に入れるのであればあまりクロノグラフを使用しないことをおすすめします。
ファイブアクタス(5 ACTUS)
1969年発売のファイブアクタスは、ファイブシリーズの中でもスタイリッシュなデザインが多く若い世代に広く人気のあったモデルです。搭載されているCal.7019は、現行のセイコーファイブに使用されているCal.7S21の原型になったムーブメントであると言われています。
ファイブスーペリア(5 Superior)
セイコー5シリーズの中でも最高級ラインに位置づけられるのがファイブスーペリアです。アプライドのロゴを含めた文字盤の装飾や針、そして裏蓋にいたるまで細部にこだわったモデルです。裏蓋には、グランドセイコーにみられる「セイコー獅子」にファイブの「5盾」を組み合わせた専用メダリオンが用意されていました。
クオーツファイブ(Quartz 5)
クオーツムーブメントを搭載したセイコー5がこのクオーツファイブです。セイコー5シリーズの特徴である自動巻き機構という部分からは外れますが、文字盤には5のロゴがあり、同時にクオーツの文字も記載されていました。
セイコー5はカスタムも楽しめる
ベルト交換で手軽にカスタムしよう
魅力ばかりのセイコー5ですが、弱点もあります。それは純正のブレスレット(ベルト)のクオリティがあまり高くない点です。ですが、裏を返せばセイコー5は、購入して終わりではない楽しさがある時計であるとも言えるかと思います。
上の写真は、先にご紹介したSNKL23にブラウンのアリゲーターストラップを付け替えたものです。かなり高級感が増しますよね。
パーツを変えるMODで自分仕様にできる
さらにカスタムしたい方は、海外通販サイトなどでパーツを購入して文字盤を交換したり針やベゼルを交換することで自分仕様のセイコー5を作ることが可能です。上の写真は、SNZH55というモデルの文字盤を交換したもので高級時計ブランドブランパンのフィフティファゾムスからインスパイアされたカスタムです。SNZH55のモデル名とフィフティファゾムスからフィフティファイブファゾムスという名で親しまれています。
こちらは自分で交換するのはハードルが高いため対応可能な時計店に持ち込むのがおすすめです。
まとめ
「セイコー5のおすすめ人気ランキング6選【機械式時計初心者向け】」いかがだったでしょうか。
手頃な価格で非常に信頼性の高いセイコー5は、誰もが楽しめる機械式時計です。
初めての機械式時計としてもおすすめですし、プレゼントで贈っても喜ばれると思います。また、すでにいくつも時計をお持ちの方でも気軽に使える1本として購入してみるのもありですよね。
セイコー5は、ただ手に入れて使うだけではなくカスタムでさらに楽しくなる魅力のつまったラインナップです。
気になったモデルがあればぜひ試してみてはいかがでしょうか。
あわせて読みたい