ロレックスの時計の中には、ニックネームが付けられたものがあるのをご存知でしょうか。「ポール・ニューマン」や「ペプシ」といった聞き馴染みのあるものから「DRSD」や「ファットレディ」といったちょっと変わったものまで様々あります。今回は、そんなロレックスの時計に付けられたユニークなニックネームたちをご紹介します。
- ロレックスのニックネームとは
- ペプシ
- コーク / コカ・コーラ
- ルートビア
- ハルク
- バットマン
- プレジデント
- ポール・ニューマン
- ジェームズ・キャメロン
- スティーブ・マックイーン
- サンダーバード
- カーミット
- スマーフ
- バートシンプソン
- バブルバック
- ファットレディ
- レッドライン / 赤サブ
- DRSD / ダブルレッドシードゥエラー / 赤シード
- グレート・ホワイト
- ソロ
- ポーラー
- ジェームズ・ボンド
- まとめ
ロレックスのニックネームとは
ロレックスの時計は、エクスプローラーやサブマリーナ、デイトナといったモデル名と5〜6桁のリファレンス(型式番号)が公式に付けられています。
ニックネームは、ファンからそのモデルへの親しみを込めて、また特定の仕様を指す際に付けられたもので、ロレックスのコレクターの間では共通用語として使われています。海外の記事などで見かけることがあると思います。
今回はよく登場するニックネームをまとめてみました。
ペプシ
赤と青のベゼルが搭載されたGMTマスターをPepsi(ペプシ)と呼びます。ベゼルの色が有名な炭酸飲料「ペプシ」のロゴと同じためこのニックネームが付けられました。
ロレックスGMTマスターならびにGMTマスターIIで赤と青の文字盤が搭載されているものはすべてペプシGMTと呼ばれます。
2018年のバーゼルでは、新しくステンレスチールモデルも追加されました。
コーク / コカ・コーラ
出典: https://monochrome-watches.com/
ペプシが赤と青なら、コーク/コカ・コーラは赤と黒のベゼルのGMTマスターを指します。こちらも有名な炭酸飲料「コカ・コーラ」からきています。ここで気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはコーラのロゴ自体は赤と白です。これは、コーラの黒い液体の入ったボトルに赤いロゴのラベルが貼られたものから連想されているとされています。
ルートビア
出典: https://www.lunaroyster.com/
こちらも炭酸飲料にちなんだGMTシリーズで茶色のベゼルが印象的な「ルートビア」(Root Beer)です。 ルートビアのパッケージカラーから連想して付けられたニックネームです。2018年のバーゼルでも新しいルートビアGMTが発表されました。
ハルク
出典: https://timeandtidewatches.com/
グリーンのセラクロムベゼルが特徴のサブマリーナ116610LVは、日本ではグリサブと呼ばれていますが、海外ではハルクというニックネームが付けられています。ハルクは、マーベル・コミックのアメコミに登場する架空のスーパーヒーローでサブマリーナの頑丈な造りと見た目からそう呼ばれるようになりました。グリーンベゼルに文字盤もグリーンの116610LVだけがハルクと呼ばれます。
バットマン
出典: https://www.watchcollectinglifestyle.com/
ハルクのサブマリーナに続いて黒と青のセラクロムベゼルが特徴のGMTマスターIIは、バットマンやバットマンGMTと呼ばれています。バットマンは、DCコミックスのアメコミに登場するスーパーヒーローで、昔のダークカラーから連想して付けられました。ロレックスのスポーツモデルは度々スーパーヒーローの名前が付けられるようですね。
プレジデント
ロレックスのデイデイトがロレックスの中でも最上位機種であることは有名です。プレジデントというのは、特定のブレスレットのスタイルを指すことが多く非常によく使われている愛称の一つです。プレジデントブレスレは、デイデイトのためだけに作られたブレスレットでプラチナか18Kゴールドでのみ製造されます。
また、デイデイトの歴史の中で何人ものアメリカ合衆国大統領が着用していたことがニックネームの理由です。
ポール・ニューマン
ロレックスコレクターの中でも多くの人が手に入れたいと思っているのがポール・ニューマンデイトナと呼ばれるモデルです。ポール・ニューマンの愛称は、もちろん伝説の俳優ポール・ニューマンその人からきています。
デイトナのデザインは、当時もっと伝統的な見た目の時計を好んだ消費者から受け入れられにくかったため販売はあまり好調ではなくそのため生産本数も非常に限られたものでそれが希少価値につながっています。
ジェームズ・キャメロン
出典: https://www.drakesjewellers.co.uk/
「ジェームズ・キャメロン」といえば大ヒット映画「タイタニック」や「アバター」で知られる映画監督の名前ですが、このニックネームは『ロレックス シードゥエラー ディープシー D-BLUEダイアル』に付けられたニックネームです。
D-BLUEは、ジェームズ・キャメロン監督が2012年に歴史的な単独潜行に成功したことを祝しロレックスがスペシャルエディションとしてリリースしたモデルです。これが、D-BLUEにジェームズ・キャメロンというニックネームが付けられた由来です。
マリアナ海溝は、深さ約11,000mもある地球の最深部でエベレストがすっぽりと入ってしまうほどです。ジェームズ・キャメロン氏はその海溝の底に単独で到達しています。
ロレックスは、ジェームズ・キャメロン氏のミッションをサポートしておりそのミッションのためだけに制作された時計も存在します。
より詳しく知りたい方は、ロレックスの公式サイトをご確認ください。
ロレックス ディープシー チャレンジ - ジェームズ・キャメロンの潜水
スティーブ・マックイーン
出典: https://shop.analogshift.com/
ロレックス エクスプローラーII Ref.1655は、年月を経て様々なニックネームを獲得した時計で、スティーブ・マックイーンもその一つです。これは、ロレックスが1970年代に当時大人気だったスティーブ・マックイーンを広告キャンペーンに採用していたためです。ニックネームとは裏腹にマックイーンがプライベートで着用することはなくステンレススチールのサブマリーナを着用していました。
サンダーバード
出典: https://www.bobswatches.com/
サンダーバードのニックネームは、ロレックス デイトジャストの中でも「ターノグラフ」と呼ばれる回転ベゼルを搭載したモデルに付けられました。これは、1950年代にアメリカ合衆国空軍のアクロバットチーム「サンダーバーズ」によりよく使われていたためにニックネームが付けられました。
今日ではデイトジャストの回転ベゼル搭載モデル「ターノグラフ」は生産されていませんが、そのニックネームだけが今も根付いている状態です。
カーミット
出典: https://www.lunaroyster.com/
カーミットは、セサミストリートなどに登場するカエルのキャラクターです。グリーンのセラクロムベゼルのサブマリーナが「ハルク」というあだ名を付けられていることは先述しましたが、これはロレックスのサブマリーナ誕生50周年を祝した記念モデルのサブマリーナRef.16610LVに付けられたニックネームです。
マキシダイヤルとよばれる、文字盤上インデックスのドットが通常よりも大きく表示された仕様です。カーミットの名前は、黒文字盤にこのマキシダイヤル仕様でグリーンのアルミニウムベゼルという見た目から付けられました。
スマーフ
出典: http://www.carrwatches.com/
スマーフは、ヨーロッパのどこかの深い森に住む小さな妖精のキャラクターで、ロレックス サブマリーナ Ref.116619LBに名付けられたニックネームです。18Kホワイトゴールドのケースにブルーのセラクロムベゼルが搭載されたモデルです。
Ref.116619LBが全てブルーのカラーで作られているため全身青色のスマーフを連想して付けられました。
バートシンプソン
「バート・シンプソン」は、アメリカアニメ史上最長寿番組の「ザ・シンプソンズ」に登場するキャラクターでシンプソンズ一家の長男です。
このニックネームは、ロレックスのコロネット(王冠)のロゴがバートの頭の形に似てフラットな形状になっている個体を指します。1966年ごろに製造されたロレックスサブマリーナRef.5512やRef.5513で極稀に見かけるもので「バート・シンプソンズ サブマリーナ」などという風に呼ばれます。上部写真は、1965年のRef.5513です。
バブルバック
出典: https://mrjoneswatches.com/
1930年代、ロレックスは自動巻きムーブメントの製造をはじめました。巻き上げるためのローターが搭載されたことでムーブメントが厚みを増しそのローターが自由に動ける空間も必要になりました。ロレックスは、ケース全体を拡大するのではなくケースバックが突き出した泡のようなデザインを採用しました。
正式名称はオイスターパーペチュアルですが、この丸みを帯びたケース形状から「バブルバック」という愛称が付けられました。
ファットレディ
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1983年にロレックスは、最初のGMTマスターII Ref.16760をリリースしました。「ファットレディ」は、直訳すると太った女性となりますが、GMTマスターII Ref.16760は、先代のGMTマスターよりもケースの厚みが0.5mmほどわずかに大きかったためにロレックスファンの間でそう呼ばれるようになりました。
レッドライン / 赤サブ
出典: https://www.bulangandsons.com/
ロレックス Ref.1680は、サブマリーナに初めて日付表示機能が搭載されたモデルで今日の形となる最初のモデルともいえるかもしれません。
Ref.1680の中でも文字盤上の"SUBMARINER"の文字が赤いモデルを海外では「レッドライン」(Red Line)と呼び、日本では「赤サブ」という愛称で呼ばれています。
サブマリーナは、コレクターの中でも非常に人気のあるモデルでその中でも赤サブは最も人気のあるモデルの一つです。
DRSD / ダブルレッドシードゥエラー / 赤シード
出典: http://www.metersfirst.com/
先のサブマリーナRef.1680のようにロレックスシードゥエラーにもRef.1665という赤文字表記のモデルが存在します。文字盤には、一行目にSEA-DWELLER、二行目にSUBMARINER 2000の文字が赤く印字されています。赤文字で二行表記されているためDouble Red Sea-Dweller(ダブルレッドシードゥエラー)と呼ばれ、DRSDと略されることもあります。日本では、単に赤シードと呼ばれています。
ロレックスのオーバーホール時に赤文字の無い文字盤に交換されてしまった個体も多く存在します。上部写真は、ティファニーとのダブルネームのもので非常に希少価値の高いモデルです。
ちなみに現行モデルで2017年新作のRef.126600は日本で赤シードと呼びますが、海外では「シングルレッド」(Single Red)と呼ばれています。
グレート・ホワイト
出典: https://www.phillipswatches.com/
1977年には、ロレックスは「ダブルレッド」シードゥエラーの文字盤を全て白い文字盤へと移行していきました。色の変更に伴ってそれまであった「SUBMARINER 2000」の表記が無くなっています。変更があったにも関わらず型番などは変わらなかったためRef.1665は引き継がれています。コレクターの間で「グレーとホワイト」(Great White)と呼ばれるようになりました。
ソロ
出典: https://monochrome-watches.com/
「ソロ」(Solo)というニックネームは、ロレックスのクロノグラフで文字盤上にロレックスの表記以外何も書かれていないものを指します。一般的にロレックスのクロノグラフは、文字が多く書かれたものが多いですが、ごくわずかのヴィンテージモデルには上部写真のように非常にシンプルなものが存在します。ソロ文字盤は、Ref.6239、Ref.6240で見られる仕様です。
ポーラー
出典: https://www.lunaroyster.com/
ロレックス エクスプローラーIIは、元々黒文字盤だけのシリーズでした。ですが、白文字盤が追加されロレックスファンからは、「ポーラー」(Polar)エクスプローラーと呼ばれるようになりました。ポーラーエクスプローラーIIは、針とインデックスの周囲が黒いものが採用されています。黒文字盤と白文字盤を簡単に区別して話すことができるようにポーラーが使われているのかもしれません。
ジェームズ・ボンド
出典: https://www.kronos360.com/
原作者イアン・フレミングは、作中で主人公ジェームズ・ボンドがロレックスを着用しているという文章を残していますが、特定のモデルが書かれているわけではありませんでした。1962年にショーン・コネリーが演じたドクター・ノオでサブマリーナ第二世代にあたるRef.6538が使われたことでジェームズ・ボンドというニックネームが使われるようになりました。ノンデイトでリューズガードがなく、またリューズのサイズも大きなモデルでした。
まとめ
いかがだったでしょうか。本当に様々なニックネームが存在するので今後もこのページをアップデートしていけたらと思います。今後追加する予定のニックネームは、「Padellone / パデローネ」、「Stelline ステリーネ / ステッリーネ」、「John Player Special / ジョン・プレイヤー・スペシャル」と「Jean Claude Killy / ジャン=クロード・キリー」、「Pussy Galore / プッシー・ガロア」です。お楽しみに!