本日、2018年6月19日は火曜日です。時計ファンにはおなじみの日スピーディ チューズデーですね。ということで今回は、わずか90ユーロ(約10,000円)の元手でスピードマスターを手に入れたブルガリア人男性のお話をご紹介します。
スピードマスターを手に入れるという夢
出典: https://www.fratellowatches.com/
たった90ユーロ(10,000円)の小銭からヴィンテージのオメガ スピードマスタープロフェッショナルを手に入れた話。もしそんなことが起きるなら自分にも起きたらいいなと思いますが、このストーリーの主人公Rumen Kostov (ルーメン・クストフ)氏には実際にそれが起きました。
クストフ氏は、#スピーディチューズデーの熱心なフォロワーで、彼がスピードマスターを好きな理由は、よく聞く2つの理由からでした。ひとつは、色褪せることのない飽きのこないデザイン、そしてふたつめはもちろんムーンウォッチのストーリーです。
時計愛好家はつい忘れがちになりますが、50万円ものお金を時計につぎ込むのは一般的に「普通のこと」ではありません。時計を買うときは、毎月コツコツと貯金をして時には1年以上かかってようやく購入に至るなんていうのはよくある話です。
スピードマスターを手に入れるまで
クストフ氏は、長い間スピードマスターを手に入れることを夢見ていましたが手に入れるだけのお金を持ち合わせていませんでした。そんな彼は、安い腕時計を売買して最終的にサブマリーナを手に入れた人の話をブルガリアの時計フォーラムで読んで自分も実践しようと思い立ったのです。
「せどり」は皆さん聞いたことがある言葉だと思いますが、一言でいうならば、物を安く仕入れて、高く売ることです。例えば、時計なら何か時計を購入してそれを売却して得た利益を元により高価な時計を買いまたそれを売却してを繰り返し収益を上げる形です。ブルガリア在住のクストフ氏は、それを続けることで1984年製のスピードマスターをついに手に入れることになります。
彼の最初の予算は、3カ月間かけて貯金した90ユーロの小銭でした。彼が最初に購入した時計は、Samsung Gear S2というスマートウォッチでした。その時計には問題がありましたが、スマートフォンのリペアを昼間の仕事に行っていた彼は上手く直しようやく時計の売買を始めます。セイコー、シチズン、レビュー トーメン、ゼロス、インヴィクタ、フェスティナ、パルサー、カシオ、ヴィクトリノックスや時折グッチなどのファッションウォッチも含め合計58もの時計が彼の手を渡りました。
彼が最初の時計を購入したのは、2017年11月14日でいつ買えるかわかりませんでしたがとにかくスタートしました。数カ月後の2018年3月18日、あまり状態は良くないと書かれたスピードマスターの広告を見かけたクストフ氏は、車を走らせ見せてもらいに行くことにしました。
どれくらい修理費用がかかるか分からなかったため少しギャンブルではありましたが、安い時計の売買で稼いだお金で800ユーロ(約10万円)を支払いその時計を手に入れることになります。
スピードマスターが日常時計になるまで
出典: https://www.fratellowatches.com/
手に入れた時計は、あまり良いコンディションと呼べるものではありませんでした。クロノグラフのプッシャーもベゼルも無く風防はには傷があるような状態でした。明らかにオーバーホールが必要な個体で、オンラインフォーラムでいい評判があり信頼のできる時計メーカーを見つけた彼はそこに修理を依頼することになります。
修理では、レマニアベースのムーブメント キャリバー861がメンテナンスされ、新しいベゼルと2つのプッシャーそしてリューズも取り付けられました。またヘサライト風防とガスケットも同様に新品に交換されています。オーバーホールは、また800ユーロかかることになりましたが、残りの時計を売却することで賄うことができました。
結果的に1984年製のスピードマスター プロフェッショナルを手に入れるのには1,600ユーロ(約20万円)ほどかかったことになります。
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先月の5月26日に修理が完了しようやく使えるようになったそうです。少しの幸運とそしてスピードマスターを手に入れるという強い思いが、彼がずっと欲しかった念願のスピードマスタープロフェッショナルを手に入れることに繋がりました。
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そのスピードマスターは、日常の腕時計として、また最初の本気の時計として今日も彼の腕に巻かれています。
本記事は、FratelloWatchesの記事を参考に執筆しています。
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