ロレックスの日付表示機能を持つほとんど全てのモデルに搭載されている「サイクロプスレンズ」について解説します。
- ロレックスのサイクロプスレンズとは
- サイクロプスレンズが発明された理由とは
- サイクロプスレンズの素材について
- サイクロプスレンズを搭載しない日付表示モデルも
- サイクロプスレンズを取る人も
- サイクロプスレンズを活用したボンバーマンの日
- まとめ
ロレックスのサイクロプスレンズとは
ロレックスのサイクロプスレンズは、日付を拡大し視認性を高めるための機能です。拡大率は、約2.5倍です。ロレックス公式サイトによる正式名称は、サイクロップレンズとなっていますが、海外ではサイクロプスレンズと呼ばれるのが一般的です。ロレックスファンの間でも好き嫌いが分かれるものではありますが、ロレックスの代名詞的な特長のひとつであると言えます。
出典: https://monochrome-watches.com
ロレックスが日付表示機能付きのデイトジャストをリリースしたのは1945年のこと。それからサイクロプスレンズがロレックスによって発明されたのは1953年のことでした。サイクロプスレンズが採用されたデイトジャストは翌年の1954年から登場します。
サイクロプスレンズの名称は、ギリシア神話に登場する単眼の巨人から名付けられました。
サイクロプスレンズが発明された理由とは
サイクロプスレンズが発明された理由については諸説ありますが、ロレックスの創業者ハンス・ウィルスドルフの妻が近視のために時計の日付が読みにくかったからという説があります。
1955年2月の手紙でウィルスドルフは、「新しいトロピカルケース、新しい風防に光学倍率はロレックスに何か新しいものを与えると確信している」と書いています。またその技術を守るためプレスリリースで次のように述べています。「全ての時計メーカーに対し、特別な形状の拡大レンズを搭載した風防はスイス国内外で保護されているロレックスの独占的なものであることを主張します。我々は偽造品に対する訴訟を起こすことに躊躇しません。」
サイクロプスレンズの素材について
サイクロプスレンズは、すぐに日付表示機能をもったオイスターモデルに搭載されていきました。もともとサイクロプスレンズと風防は、プレキシガラス(プラ風防)で成形された一体型のものでした。ですがロレックスは、1970年代からひっかき傷に強いサファイアクリスタルを風防に採用しはじめます。はじめてサファイアクリスタルが風防に採用されたのは、オイスタークオーツRef.5100(通称ベータクオーツ)でした。そこからサファイアクリスタル採用モデルのラインナップは徐々に全モデルへと広がっていきました。サファイアクリスタルは、非常に硬い素材であるため加工が難しく結果的に別々に生産されるようになりました。
2005年以降は、両面無反射コーティングが施されており視認性が向上しています。サイクロプスレンズの素材は年代によって違いますが、現行モデルは全てサファイアクリスタル素材となっています。
サイクロプスレンズを搭載しない日付表示モデルも
出典: https://www.drakesjewellers.co.uk/
日付表示機能搭載モデルは、基本的に全てサイクロプスレンズが付いていますが例外もありました。それはロレックスシードゥエラーです。ロレックスサブマリーナーには、サイクロプスレンズが搭載されていましたが、更に防水性能が高いシードゥエラーには搭載されていませんでした。風防にサイクロプスレンズの無いクリーンなデザインが好きな人達にとってはシードゥエラーは最良の選択肢でした。


ですが、2017年のバーゼルワールドで登場したシードゥエラーにはサイクロプスレンズが搭載されることとなりファンの間では大きな物議を醸すこととなりました。
ロレックスは、シードゥエラーにサイクロプスレンズを搭載していなかったことを技術的な理由であると説明していました。サイクロプスレンズのドーム型の形状と深海の非常に高い圧力のためとされています。ロレックスが技術的にそれを実現できるようになり恐らく「できるのであればなぜやらない?」ということで搭載するに至ったのだと思われます。
現在、サイクロプスレンズが搭載されていないロレックスの唯一の時計は、シードゥエラーディープシーのみとなりました。ディープシーは、3,900mの防水性能がありますがこのモデルにも将来的にサイクロプスレンズが搭載されることはあるかも...しれませんね。
サイクロプスレンズを取る人も
ウェブを検索しているとロレックスのサイクロプスレンズを取り外す人もいるようです。マイナスドライバーを使用したりバーナーで熱した上でカッターで外す方法など様々あるようですが、個人的には全くおすすめできません。サイクロプスレンズは接着剤を使って取り付けられており外れてしまった場合は風防交換が必要になります。費用は16,000円前後です。
以下のサイトでサイクロプスレンズを取り外した例が掲載されていますのでご参考ください。
Take off your cyclop lens. / 時計とは宇宙である ROLEX & TUDOR
サイクロプスレンズを活用したボンバーマンの日
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「ボンバーマンの日」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ボンバーマンは、ハドソンのゲームのキャラクターですが、もちろんそのキャラクターが誕生した日というわけではありません。ボンバーマンの日は、Instagram上で日本で流行っているハッシュタグで、毎月11日になるとそのハッシュタグを付けた写真が投稿され盛り上がりを見せています。Instagramアカウント@toki_59(上部埋め込み写真)という方がはじめられたものです。
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なぜボンバーマンの日というのかというとロレックスのサイクロプスレンズと11日の日付がちょうどボンバーマンの顔のように見えるからということです。確かに似ていますよね。
まとめ
「ロレックス サイクロプスレンズを徹底解説」と題してご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
サイクロプスレンズが発明された理由が、創業者の妻が近視だったからというストーリーや実は好き嫌いが大きく分かれ取り外してしまうという人がいるなど意外と知らなかったことも多かったのではないでしょうか。
個人的には取り外してしまうというのは、やりすぎかなと思いますので「ボンバーマンの日」といったムーブメントのようにそれも含めて楽しんでしまうというのが良いのではないかと思います。みなさんはお使いのロレックスのサイクロプスレンズどうでしょうか?