オーデマピゲの新作ウォッチのティザーサイトが時計好きの間で非常に話題になっていましたが遂にその全貌が明らかとなりました。
今回は、オーデマピゲが新たに発表したCODE 11.59(コード 11.59)をご紹介します。
オーデマピゲ CODE 11.59とは
出典: Audemars Piguet
オーデマピゲが発表したCODE 11.59は、ロイヤルオーク、ロイヤルオークオフショア、そしてミレネリーコレクションと並ぶ全く新しいラインナップです。
11.59の名前は、日付が変わるその日最後の1分間から由来します。
そしてその名の由来からも分かるようにオーデマピゲの新たな方向性を打ち出すコレクションです。
CODE11.59は、ムーブメントの研究開発、ケースと文字盤のデザイン、そして戦略的意思決定のために約5年の歳月を費やしてきました。
オーデマピゲといえば、どうしてもロイヤルオークのイメージが強いブランドです。これまでは、そのロイヤルオークやオフショアへの新作ラインナップ追加によってブランドを拡大してきました。
出典: Hodinkee
今回の発表は、それらとは違う全く新しいコレクションであり、今後のブランドの新たな方向性を示すものであると言えます。
新作モデルはそれぞれ、自動巻き、クロノグラフ、パーペチュアルカレンダー、フライングトゥールビヨン、トゥールビヨンオープンワーク、そしてミニッツリピータースーパーソヌリの6モデルです。その中には13のリファレンスがあり、3つの新型ムーブメントと共に登場します。
「CODE 11.59は、1972年以来の最大のリリースである」とフランソワ-アンリ・ベナミアスCEOは話します。1972年は、最初のロイヤルオークが発表された年です。
CODE 11.59の全く新しいケースデザイン
出典: Monochrome Watches
CODE 11.59は、正面からみると何の変哲もないラウンドケースのシンプルな時計に見えます。3針モデルは特に文字盤からは、ロレックス エクスプローラー1を彷彿とさせるデザインです。
ですが、横から見た時にそのデザインの違いが明らかになります。
出典: Monochrome Watches
ミドルケースはサテン仕上げとポリッシュ仕上げを組み合わせた八角形で、サイドが開けられたラグはベゼル固定されています。
ケース素材は、ピンクゴールドとホワイトゴールドのみですが、今後その他の素材でリリースされる可能性もあるようです。また、全モデルのケース径は41mmです。
出典: Audemars Piguet
また新しくなったのはケースだけではありません。非常に薄いベゼルのため風防は大きく、また湾曲しているのが特徴です。
上の写真をご覧いただくとその様子がよく分かるかと思いますが、12時位置から6時位置にかけての曲線ともう一つは分かりづらいですが、風防の下のわずかなドーム状のカーブです。
この風防を取り入れた結果、文字盤全体が鮮明になり視認性を向上しているようです。
出典: Hodinkee
6モデルあるためバリエーションはありますが、デザイン原則はコレクションを通して共通です。文字盤上には多くのスペースがあり、ベゼルの薄さもあいまって大きい印象を受けます。
特徴的なアラビア数字のデザインは、オーデマピゲのアーカイブに残されている1940年代のミニッツリピーターを元にしています。
自動巻きモデルとクロノグラフモデルは、白、黒、青の光沢のあるラッカーダイヤルです。12時位置には大きなゴールドのブランドロゴがつけられています。
フライングトゥールビヨンとスーパーソヌリの2モデルは、エナメル文字盤にエナメルでロゴが描かれています。
また、パーペチュアルカレンダーモデルは、美しい夜空のようなアベンチュリン文字盤仕様になっています。
オーデマピゲ CODE 11.59のモデル紹介
オーデマピゲ CODE 11.59の6つのモデルがあります。
先程お伝えしたとおり、自動巻き、クロノグラフ、パーペチュアルカレンダー、フライングトゥールビヨン、トゥールビヨンオープンワーク、そしてミニッツリピータースーパーソヌリです。
それぞれ見ていきたいと思います。
オーデマピゲ CODE 11.59 自動巻き
出典: Audemars Piguet
オーデマピゲ CODE 11.59 3針の自動巻きモデルは、18Kピンクゴールドとホワイトゴールドで登場します。
搭載ムーブメントは、自動巻きキャリバー4302で70時間のパワーリザーブがあります。防水性能は30mです。
実際に銀座のオーデマピゲ ブティックで試着してきました。ケースサイズは41mmとデザインに対して少々大ぶりですが、実際に付けてみるとそれほど大きく感じさせませんでした。
八角形のケースも本当にさりげない形状のためよくみると確かにという程度です。バックルは、Dバックル仕様では無く通常の尾錠が採用されています。
特徴的な風防がこちらです。横から見るとかなり立体感のある作りになっていることがよく分かります。時計を傾ける角度によって見え方がかなり変わってきます。
通常のフラットな風防やドーム型風防とは全く違う印象です。
文字盤の内容が非常にシンプルなため良く言えばミニマルですが、少し物足りなさを感じるのも正直なところ。
- オーデマピゲ CODE 11.59 自動巻き ピンクゴールド白文字盤
Ref. 15210 OR.OO.A099CR.01 - オーデマピゲ CODE 11.59 自動巻き ピンクゴールド黒文字盤
Ref. 15210 OR.OO.A002CR.01 - オーデマピゲ CODE 11.59 自動巻き ホワイトゴールド青文字盤
Ref. 15210 BC.OO.A321CR.01 - オーデマピゲ CODE 11.59 自動巻き ホワイトゴールド黒文字盤
Ref. 15210 BC.OO.A002CR.01
価格は、2,800,000円(税別)となります。
オーデマピゲ CODE 11.59 クロノグラフ
出典: Audemars Piguet
オーデマピゲ待望の自社製クロノグラフキャリバーは、約5年の歳月をかけてCODE 11.59コレクションのために開発されました。
フライバッククロノグラフキャリバー4400は、コラムホイール、垂直クラッチ方式で効率性を重視した構造です。ムーブメントは直径32mmで4hz 28,800振動/時です。パワーリザーブは、70時間有します。
サブダイヤルは、3時、6時、9時位置にレイアウトされています。
ピンクゴールドケースにブラックのラッカーダイアルを銀座ブティックで試着しました。正直3針モデルよりも満足感が高く感じました。
クロノグラフモジュールがある分厚みはわずかに大きくなりますが、着用感は良好です。
クロノグラフモデルも特徴的な風防が採用されています。着用時に時計に目を落とすとその形状が確認できます。
ピンクゴールドケース、青文字盤仕様は広告でも一番使われているモデルです。
バーゼルワールドでフランソワ-アンリ・ベナミアスCEOが着用していたため、このモデルを希望される方も多くいるんだとか。
個人的には、ピンクゴールド黒文字盤が好みです。
- オーデマピゲ CODE 11.59 自動巻き ピンクゴールド青文字盤
Ref. 26393 OR.OO.A321CR.01 - オーデマピゲ CODE 11.59 自動巻き ピンクゴールド黒文字盤
Ref. 26393 OR.OO.A002CR.01 - オーデマピゲ CODE 11.59 自動巻き ホワイトゴールド青文字盤
Ref. 26393 BC.OO.A321CR.01 - オーデマピゲ CODE 11.59 自動巻き ホワイトゴールド黒文字盤
Ref. 26393 BC.OO.A002CR.01
価格は、いずれも39,500スイスフランです。
オーデマピゲ CODE 11.59 パーペチュアルカレンダー
出典: Audemars Piguet
CODE 11.59 パーペチュアルカレンダーは、内部にキャリバー5134を搭載したローズゴールドケースで登場しました。
出典: Audemars Piguet
最近のオーデマピゲのムーンフェイズは、月のデザインが非常にリアルで美しいのですが、このパーペチュアルカレンダーモデルは、星空を連想させるアベンチュリン文字盤仕様のため全体的に非常にエレガントなデザインになっています。
- オーデマピゲ CODE 11.59 パーペチュアルカレンダー ピンクゴールドアベンチュリン文字盤
Ref. 26394 OR.OO.D321CR.01
価格は、69,500スイスフランです。
オーデマピゲ CODE 11.59 フライングトゥールビヨン
出典: Audemars Piguet
CODE 11.59 フライングトゥールビヨンは、新作の自動巻きムーブメントであるキャリバー2950が搭載されています。
文字盤は、グランフーエナメル仕様です。
- オーデマピゲ CODE 11.59 自動巻き フライングトゥールビヨン ホワイトゴールド 青文字盤(エナメル)
Ref. 26396 BC.OO.D321CR.01 - オーデマピゲ CODE 11.59 自動巻き フライングトゥールビヨン ピンクゴールド 黒文字盤(エナメル)
Ref. 26396 OR.OO.D002CR.01
価格は、129,000スイスフランです。
オーデマピゲ CODE 11.59 トゥールビヨン オープンワーク
出典: Audemars Piguet
CODE 11.59 トゥールビヨン オープンワークは、ピンクゴールドケースにムーブメントのブリッジがダークコーティングで仕上げられています。
- オーデマピゲ CODE 11.59 トゥールビヨン オープンワーク ピンクゴールド
Ref. 26600 OR.OO.D002CR.01
価格は、175,000スイスフランです。
オーデマピゲ CODE 11.59 ミニッツリピータースーパーソヌリ
出典: Audemars Piguet
CODE 11.59には、スーパーソヌリがラインナップのひとつに含まれます。
このオーデマピゲのミニッツリピーターのコンセプトは、数年前に登場しました。ケースはホワイトゴールド製で非常に重厚感があります。
- オーデマピゲ CODE 11.59 ミニッツリピーター スーパーソヌリ ホワイトゴールド 青文字盤(エナメル)
Ref. 26395 BC.OO.D321CR.01
まとめ
オーデマピゲといえばロイヤルオーク、今年もロイヤルオークの何らかの新作ラインナップが登場するんだろうなと思っていたので、この新たなコレクションは全く想像できませんでした。
多くのブランドがそのブランドのアイコンとなるモデルを持っており、そのモデルに固執して後はそれをブラッシュアップし続けていくだけという印象がありますが、オーデマピゲは新たなる方向へチャレンジしていくようですね。
CODE 11.59は、ロイヤルオークを超えることはないにしてもそれに肩を並べるようなコレクションになっていくのでしょうか。
私見ですが、41mmというケースサイズは今のトレンドからは外れる印象です。ミレネリーのようなポジションになってしまう可能性もあるのではないかと思いますが、リリースされてからどうなるか非常に興味深いです。
CODE 11.59の詳細は、SIHH2019にて発表されます。また、販売はオーデマピゲブティック限定で2月より開始される予定です。