2019年5月11日にアンティコルムがジュネーブで開催したオークションで非常に希少価値の高いパテック フィリップ アクアノート Ref.5060 プロトタイプが、驚異的な金額で落札されました。
落札価格は、401,000スイスフラン(日本円で約4,360万円)でした。
これは当初50,000〜80,000スイスフランと予想されていた落札価格の5倍〜8倍もの金額となりました。
パテック フィリップ アクアノート Ref.5060 プロトタイプ
アクアノートは、1997年のバーゼルで発売されたモデルでパテック フィリップが初めてラバーストラップを採用したラグジュアリースポーツウォッチでもあります。
1976年に発表されたパテック フィリップ ノーチラスに並ぶスポーツモデルで、アクアノートはよりカジュアルなデザインが特徴です。
初代モデルの5060Aは、タペストリーと呼ばれる文字盤に夜光インデックス、ラバーストラップそして裏蓋もステンレススチールのソリッドケース仕様のアクアノートはこのモデルだけです。
このモデルは、前シリーズのバージョンの一つである可能性が高いです。
文字盤上のパテック フィリップのロゴの直下には、プロトタイプの文字が印字されています。
また、1998年に発売されたノーチラス 3710に非常によく似たパワーリザーブインジケーターがあります。
またムーブメントのブリッジ部分には、「ラボNo.04 330/196」という刻印もあります。
このキャリバー330/196というムーブメントはアクアノートの市販モデルに採用されたことの無いものでした。
もちろんこのパテック フィリップ アクアノート Ref.5060 プロトタイプ自体も市販されることは無く、非常に希少価値の高いモデルです。
プロトタイプであるためどのように世に渡ったのかも明確にされておらず、また愛好家の間でもその真贋が問われたモデルでした。
パテックフィリップ専門のアンティークショップのオンビハーフのブログに以下の投稿がありました。
試作品としてパテックの職人が家に持ち帰っていた物が盗難にあったそうです。
それが5年ほど前にフランスでオークションに出品されたそうです。
パテックのスターン社長が盗難されたものなので無償での返品を要請するも、オークション主催者側からは盗難された証明が無いので、もし出品を取り下げて欲しいならエスティメート(5千ユーロ)での買取を主張。曰く、主催者はフランス政府と言ってましたので、もしかしたら税金滞納差し押さえのオークションかもしれません(推測です)。
スターン社長は有償での買取に激怒して買い取らずに結局そのままオークションに出され5万ユーロで落札。
その落札者が今回出品した、ということらしいです。
こうしたオークションの結果が反映されて同モデルのヴィンテージウォッチや現行モデルの価値までに影響を及ぼすことは少なくありません。
もしかするとアクアノートの価値が高まるといったことにつながるかもしれません。
オークションデータ
ロットナンバーは、726でした。
10万スイスフランを超えた後の入札の大部分は2人いたとのことです。
ブランド: Patek Philippe (パテック フィリップ)
モデル: Aquanaut(アクアノート)
リファレンス番号: 5060
ケースサイズ: ケース径 36mm
ケースNo.: 4034049
キャリバー: キャリバー330/196
パワーリザーブ: ○時間
年式: 1996年ごろ
ロットナンバー726のオークションページは以下です。
PATEK PHILIPPE, REF. 5060, AQUANAUT PROTOTYPE LOT 726
その他、オークションに登場したものは、以下のアンティコルムのカタログをご覧ください。
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