ロレックスが唯一公式にムーブメント、ケースを供給していたとされるオフィチーネ・パネライ。その歴史をダイバーズウォッチから紐解きます。
プロフェッショナルダイバーズウォッチの起源
出典: http://www.rolexmagazine.com/2007/07/chapter-3-complete-history-of-rolex_2123.html
1926年にロレックスは最初の(Rolex Oyster pocket-watch)ロレックス オイスター懐中時計(上部写真)を製造し販売しました。はじめのロレックスオイスターウォッチは、水泳やダイビングのためではなく単にムーブメントを酸化、そして汗や水から守るために開発されました。
出典: http://www.rolexmagazine.com/2007/07/chapter-3-complete-history-of-rolex_2123.html
それではロレックスの懐中時計は、どのようにして世界初のプロフェッショナルダイバーズウォッチとなったのでしょうか。誰にもはっきりしたことは分かりませんが、推測するための大きな手がかりがいくつか残されています。
ロレックス初のプロフェッショナルダイバーズウォッチ
出典: https://perezcope.com/2017/03/17/the-history-of-panerai-watches-at-a-glance/
上の写真は、1935年のロレックスのカタログです。一番右上に一際大きな時計が写っているのが確認できるでしょうか。
出典: http://www.rolexmagazine.com/2007/07/chapter-3-complete-history-of-rolex_2123.html
これは、はんだ付けされたラグそして針とインデックスに夜光塗料を塗布された47mmのロレックスReference 2533です。世界でも知られていない時計で、残存例のないモデルです。おそらくですが、1935年当時は(今でもそうですが)47mmの腕時計は大きすぎて奇妙に見えるためあまり売れていなかったのではないかと考えられます。先ほどのカタログの写真をみる通りRef.2533より小さなモデルしか存在していません。
47mmそしてこの形状、なんとなくもうお気付きですよね?
最初のパネライ
ロレックスは営利企業ではあるが、「ハンス・ウィルスドルフ財団」という基金をベースにしている財団法人組織であって実態を公にする義務がなく、社内資料をほとんど公にはしていない(それでも、近年は以前と比べて格段に多くの情報が公開されるようになっている)。
引用: https://ja.wikipedia.org/wiki/ロレックス
ロレックスは、上記のWikipediaからの引用の通りあまり実態を公にすることが無く詳細な歴史が公開されているわけではないため、これから記載する内容も確実で正確な情報というわけではないため一説として受け取っていただけると幸いです。
1935年ごろにパネライはロレックスに対して、イタリア海軍に供給するためのプロフェッショナルダイバーズウォッチを要求していたとされています。
ロレックスは、すでに生産していた先ほどのおそらく不人気であっただろう47mmのRef.2533ダイアルをロゴの無いものに変えパネライに供給・販売したのではないかと考えられます。
パネライのダイバーズウォッチ誕生
ひとつ分かることは、パネライ初のダイバーズウォッチは、ロレックスのオイスター懐中時計のケースにラグをはんだ付けしたものだということです。
出典: http://www.rolexmagazine.com/2007/07/chapter-3-complete-history-of-rolex_2123.html
上の写真で非常に分かりやすく解説されています。
- 1935年頃のロレックスのオイスターウォッチRef.2533
- ロレックスのオイスター懐中時計
- 時計を横向きにする
- ラグをはんだ付けしフラットベゼルへ変更
- パネライのダイアルに換装、秒針を取り去りケースをゴールドからステンレスへ
- パネライ(ロレックス2533ケース)誕生
パネライ2533
出典: http://paneraiworld.blogspot.jp/2014/06/shreeve-company-preview-pam00518.html?m=1
写真上が、地球上で一つしかないとされる非常に珍しいロレックス製パネライのプロトタイプです。1936年に生産されたものでラジオミールのはじまりと言われています。
出典: http://paneraiworld.blogspot.jp/2014/06/shreeve-company-preview-pam00518.html?m=1
裏を見ていただくと分かる通りムーブメントもロレックス製でCal.618という手巻きムーブです。また、ケースの一番下に2533と彫られているのも確認できるかと思います。現行品のパネライと変わらないデザインが既にそこにありますね。
ロレックスとパネライのつながり、いかがでしたでしょうか。計器類を製作するメーカーだったパネライがイタリア海軍へ供給するためにロレックスへ委託した時計。ラジオミールの誕生の裏にはこんなストーリーがあったとは驚きですね。
この記事は、以下の2つのサイトの情報をまとめたものです。さらに詳しい内容が知りたい方は是非読んでみてください。
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