腕時計の読みもの

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【レビュー】グラハム クロノファイターヴィンテージノーズアート2018年限定モデル

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今回、時計ブランド「GRAHAM(グラハム)」様から同社の代表的なクロノグラフモデルであるクロノファイターの2018年限定モデル「グラハム クロノファイターヴィンテージノーズアート」をお借りしレビューさせていただけることになりました。文字盤に女性のイラストが入ったユニークでお洒落な時計です。

クロノグラフの父の名を冠したブランド「グラハム」

時計ブランド グラハムのロゴ

グラハムは、1995年にEric Loth(エリック・ロト)氏が設立した比較的新しい高級時計ブランドです。

ブランドロゴの下に「WATCHMAKERS SINCE 1695」とありますが、これには深い理由がありました。今でこそ時計といえばスイスといイメージがありますが、17世紀から18世紀にかけてはイギリスが時計産業を大きくリードしていました。

 

時計師ジョージ・グラハムの肖像画

時計師ジョージ・グラハム

そして17世紀に活躍した時計師ジョージ・グラハムへの敬意を込めてブランド名が付けられています。1965年は、ジョージ・グラハムが7年間の見習い後、ウォッチメーカーとして認められた年とされています。ジョージ・グラハムは、初めてクロノグラフ機構を開発した人物で「クロノグラフの父」と言われています。そのため、グラハムのモデルの殆どがクロノグラフ機構が搭載されたモデルとなっています。

日本では、福山雅治がドラマ「ガリレオ」のシーズン1で着用していたことで話題となったブランドでもあります。

クロノファイターノーズアートとは

Chronofighter Vintage Noseart Linda
Chronofighter Vintage Noseart Chloe
Chronofighter Vintage Noseart Belle
Chronofighter Vintage Noseart Lucia

モデル名「クロノファイターヴィンテージノーズアート」にある「クロノファイター」と「ノーズアート」それぞれを解説します。

クロノファイターとは

クロノファイターは、英国空軍仕様として開発されたクロノグラフモデルでレギュラーラインナップです。

クロノファイターは、他ブランドのクロノグラフと大きくある点で違うことに気づくかと思います。それは、左利きモデルではないのに左側にクロノグラフのリリースレバーが、それも大きなリリースレバーが搭載されている点です。

これは、形状を見ても分かる通り親指を使って操作するもので、イギリス空軍のパイロットの提案に基づいた仕様です。戦闘機の内部は温度が急激に低下するためパイロットたちは厚手のグローブを着用して操作するため小さなプッシャーよりもレバー形式がよいのです。

また、なぜ親指での操作にしたかといえば、人の指は親指が一番俊敏に反応することができその速度差は人差し指よりも0.2秒〜3秒と言われています。つまりイギリス空軍のパイロットの提案かつ人間工学にも基づいたデザインとなっているのです。

ノーズアートとは

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出典: https://monochrome-watches.com/

このモデルのコンセプトでもあるNose Art(ノーズアート)は、航空機、とりわけ戦闘機などの軍用機の機体に描かれた絵のことを指します。その名の通り航空機のノーズつまり機首部分に描かれることが多いのですが、それ以外の部分にも描かれることがあり、これも含めてノーズアートと呼びます。搭乗員の士気を鼓舞する目的で描かれていたもので、よく描かれていたモチーフとしてピンナップガールが挙げられます。ピンナップガールは、マリリン・モンローのようなセクシーでキュートな女性たちのことを指し、「グラハム ヴィンテージ ノーズアート」コレクションもキュートでユニークな女性のイラストが文字盤に描かれています。

外観レビュー

さて前説が長くなりましたが、いよいよ時計本体を見ていきます。4種類それぞれの文字盤をチェックし、グレー文字盤のBelleを見ていきます。

文字盤

文字盤は、4色展開でそれぞれ4人の女性のモチーフと名前が描かれています。男らしい武骨なケースデザインながら、インデックスの12時は丸みを帯びたアラビア数字でポップな文字盤もあいまってカッコ可愛い印象です。

Linda(リンダ)

Graham Chronofighter Vintage Noseart Linda
Graham Chronofighter Vintage Noseart Linda dial

ブロンドヘアに水色の衣装が可愛らしいLinda(リンダ)は、光に当てると青っぽく見える黒文字盤に黒のレザーストラップが付けられたモデルです。

Chloe(クロエ)

Graham Chronofighter Vintage Noseart Chloe
Graham Chronofighter Vintage Noseart Chloe

花飾りをつけたダークヘアにピンクの衣装でセクシーなポーズをとるChloe(クロエ)は、明るいブルーの文字盤にブラウンのレザーストラップが付けられたモデルです。

Belle(ベル)

Graham Chronofighter Vintage Noseart Belle
Graham Chronofighter Vintage Noseart Belle

ショートのブロンドヘアに2枚のレコードを持ったBelle(ベル)は、グレー文字盤にスエード調のブラウンのレザーストラップが付けられたモデルです。

Lucia(ルチア)

Graham Chronofighter Vintage Noseart Lucia
Graham Chronofighter Vintage Noseart Lucia

真っ赤なホロウボディのギターを抱えたLucia(ルチア)は、こちらもクロエと同じく明るいブルーの文字盤が特徴でネイビーのレザーストラップが付けられたモデルです。

ケース

44mmのスチールケースでケースの一番の特徴は、先述の通りですがクロノグラフの大きなリリースレバーが左側に着いている点です。

クロノグラフは、実際に使ってみると確かに人間工学に基づいているだけあって通常のクロノグラフモデルよりも圧倒的に操作感が良いと感じました。そもそも日常生活シーンでクロノグラフを使うことはあまり多くはありませんが、例えば私はお昼休みの休憩時間の計測などに使ったりしています。

夜光

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夜光は大ぶりなパイロットウォッチらしくしっかりと塗布されています。そのため夜間の視認性も非常に高いです。12時のインデックスもしっかりと光ります。

レザーストラップ

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レザーストラップはそれぞれのモデルごとに色が分けられています。Lindaはブラックのレザーストラップ、Chloeはブラウンのストラップ、Belleもヴィンテージ感のあるブラウンストラップが、そしてLuciaはネイビーのストラップが付属します。

お借りしたモデルはピンバックル仕様なのですが、日本向けの販売はフォールディングバックル仕様になる予定とのことです。 

ムーブメント

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ケースバックは、トランスパレントバック仕様となっており内部に搭載されているムーブメントが見えます。ムーブメントは、キャリバーG1747が搭載されています。特に仕上げの美しさなどはなく、ローター部分にグラハム社のロゴが書かれています。

着用レビュー

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Linda
Chloe
Lucia

時計のサイズは、真上から見た際に時計のラグが手首からはみ出していなければ問題ないとされています。ノーズアートは、44mmと大きめのケースサイズですが、手首のサイズが17cmと小さめの私でも問題なく着けられています。サイズが大きいので色んな所にぶつけて傷だらけにしてしまうのではと少し心配していたのですが、そんなことはありませんでした。

時計本体は確かに重量感はあるのですが、革ベルトにしているため着け心地は悪くありません。

また、リューズやクロノグラフのリリースレバーなどが全て左側にあるため手の甲に当たることもなくこのサイズ感でも使いやすいです。

同じケースサイズのパネライと比べてみた

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44mmといえば思い出すのは、そうパネライですよね。実際に手元にあるルミノールマリーナと比べてみました。パネライは大きめのリューズガードがあり、クロノファイターも大きめのリリースレバーがあり全体的に似た印象がありますね。

ケースサイズは、どちらも44mmなのですが、グラハムのほうがケースの形状が丸に近いため少々小ぶりな印象を受けます。恐らくパネリスティ(パネライファン)であれば全く違和感なく着けられるモデルだと思います。

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バックルは、どちらも同じようなサイズ感でベルト穴もどちらも四角形です。パネライのバックルはサテンフィニッシュであるのに対して、グラハムはポリッシュとサテン仕上げをあわせた少し手の込んだ作りになっている印象です。

ピンナップガール人気ランキング

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時計をお借りしている間に表参道でVogue Fashion Night Out 2018が開催されていたので時計を持ち出してファッション感度の高い方々にどのモデルが好みか該当インタビューしてみました。

その結果は以下のとおりです。

  1. Belle
  2. Linda
  3. Chloe
  4. Lucia

Belleは、年齢層問わず好感度の高いモデルで特にグレーの文字盤というのも明るくて可愛いとのことでした。Lindaは、次に人気のモデルで不思議の国のアリス感のある女の子の配色で変わったモデルながら普段使いしやすそうと評判でした。その次は、Chloeで4モデルの中では一見すると一番過激な印象ですが、どうせ着けるならこれくらい思い切ったものがいいよねとどちらかというと上の世代の方に人気がありました。そして最後は、Luciaでした。クロエに比べて文字盤色とメインの赤い配色、そしてネイビーのストラップもあって全体的に暗い印象かもという声がありました。それでも大きな差はありませんでした。

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私は初めはLindaが使いやすく好きだったのですが、最終的にはグレー文字盤のBelleを一番着けていました。あなたはどのモデル(女の子)が好みですか?

総評

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クロノファイターヴィンテージノーズアートは、とてもユニークな文字盤デザインで最初は正直どうかな?と思っていたのですが、「女の子たちが可愛い」と女性からの評判が特に高いモデルでした。人生最初の時計にこのモデルを選ぶなんていう方は稀だと思いますが、2本目やいくつか時計を持っている中で何かお洒落で遊び心のある時計が欲しいと考えている方には是非おすすめしたいモデルです。

文字盤のピンナップガールの絵は全てハンドペイントされているという凝った作りで職人技を見ることができます。44mながら装着感は良く、クロノグラフの使い勝手もいいため気になる方は是非一度手にとって腕に巻いてみてはいかがでしょうか。

基本情報

ブランド: Graham (グラハム)
モデル: Chronofighter Vintage Nose Art 2018 Ltd (クロノファイター ヴィンテージ ノーズアート 2018限定モデル)
リファレンス番号:  2CVAS.B27A (Linda) / 2CVAS.U10A (Chloe) / 2CVAS.A01A (Belle) / 2CVAS.U11A (Lucia)
ケースサイズ: ケース径 44mm
ケース素材: ステンレススチール
防水性: 10気圧

ムーブメント情報

キャリバー: G1747
パワーリザーブ: 48時間
駆動方式: 自動巻
振動数: 4hz 28,800振動/時
石数: 25石

価格

定価: 710,000円(税抜)
限定: 世界限定 各100本