スウォッチと世界的な時計メディア『HODINKEE』とのコラボレーションモデル「Swatch Sistem51 Blue Edition for HODINKEE」(スウォッチ システム51 HODINKEE ブルーエディション)の実機レビューです。
SwatchとHodinkeeのコラボレーション第二弾
出典: Hodinkee
Swatch Sistem51 Blue Edition for HODINKEEは、昨年のSwatch Sistem51 HODINKEE Vintage 84(スウォッチ システム51 HODINKEE ヴィンテージ84)に続くコラボレーションモデルです。
昨年のヴィンテージ84は、スウォッチの1984年のモデルにインスパイアされたモデルでしたが、今回のブルーエディションは完全にオリジナルデザインとなります。
HODINKEEは、これまでもヴィンテージウォッチのテイストを取り入れた新しい時計をデザインしていますが、どれもクオリティが高くコレクター達からも定評があります。
HODINKEEの素晴らしい時計デザインを2万円以下で楽しめるのはスウォッチとのコラボレーションだからこそ実現できたもの。それでは早速詳しく見ていきましょう。
パッケージレビュー
まずはパッケージデザインから見ていきます。
通常のスウォッチのSistem51の外装梱包と同様ですが、HODINKEE向けの限定デザインとなっています。
厚紙の外装の表面は、ブルーの特徴的な放射線上デザイン。サイドにはスウォッチのロゴが踊ります。
裏面は、丸く切り抜かれ本体のトランスパレントバック越しに内部のムーブメントが見えるようになっています。
サイドには、HODINKEEのロゴが記載されています。
厚紙の外装を取り外すとシンプルなプラスチック製のケースが現れます。
ケースの上と下の部分にクッション性の素材が付いており時計がずれないようになっています。海外からの発送だったこともあり、実際に受け取った際は時計の位置が少しずれていましたが大抵の衝撃は吸収してくれるようです。
そしてケースを開くと簡単に時計を取り出せるようになっていました。
少し気づきにくいのですが、プラスチックケースの中には保証書と取扱説明書も同封されています。日本語の記載もあるので目を通しておくと良さそうです。
外観レビュー
続いて時計を取り出して実際に見ていきましょう。
ケース
ケース素材は、ブルーのプラスチックです。プラスチック製であるため当たり前ではあるのですが、初めて時計を手にとった時はその軽さに驚きました。
ケースサイズの直径42mm、厚さ14mmというのは大ぶりな部類になります。普段はケースサイズは気になる部分ですが、とにかく軽さとそのポップなスタイリングのため全くといっていいほど気になりませんでした。
ブルーエディションというだけにブルーの時計ではあるのですが、光の当たり方によっては、ネイビーやパープルにも見えるのがユニークなポイントです。
同封されていた説明書を読んで知ったのですが、合成ガラスについた傷は拭き取ることで消せるようです。雑に扱わないようにするのが一番ですが、万が一傷が付いてしまった場合は、ポリッシュ用クリームや研磨剤の入ったデンタルケア製品を使うかスウォッチ製品取扱店に持ち込むのが良いようです。
文字盤
文字盤はグレーブルーでヴィンテージウォッチの影響を強く受けた控えめなデザインです。インデックスは、偶数時はドットになっており奇数時は1940年代のドレスウォッチにインスパイアされた手書き風の数字です。
また日付表示は、通常版の3時位置ではなく6時位置に付いています。丸窓に黒地のカレンダーディスクで白いフォントで数字が書かれており、偶数時インデックスにあわせたデザインになっています。
夜光塗料が付けられた幅広の時分針は、文字盤のコントラストを強くし視認性を高めています。
Sistem51はといえば、文字盤上に6つの赤い点が配されているのが特徴のひとつです。
これはムーブメントに使われている19石のルビーのうち6石の位置を表すものですが、HODINKEEブルーエディションは、その赤いドットをなくした最初のSistem51となりました。
このドットが無いことで文字盤がシンプルになり様々な服装に合わせられるようになっており、個人的には非常にポジティブです。
夜光
夜光塗料は時分針にのみ塗られています。
自動巻きでトルクがあるため、通常のスウォッチよりも大きめの針が採用されています。
ストラップ
ケースにあわせたブルーのシリコンストラップは、表面は少しマットな質感で触り心地がいいです。裏面には溝があり、滑りにくさや汗をかいた際などを想定して作られているようです。
バックルはプラスチック製で特に可もなく不可もなくといった印象です。着脱時に特に不満もありません。
ストラップは、スウォッチ純正のものであれば交換が可能なので好みのものがあればとりかえて楽しむこともできます。
ムーブメント
時計を裏返すと、おなじみのSistem51のムーブメントが登場します。シンプルな文字盤側とは打って変わって青、赤、白の大胆パターンがデザインされています。
ムーブメントは、100%スイス製のSistem51で、51個のパーツから構成され、そのすべてがローター中央に見えるたった1本のネジで固定されています。
また、手作業ではなく全てオートメーション化されたラインで、人の手を介さずに組み上げられた世界初の自動製造のムーブメントでもあります。
地球上で最もシンプルなムーブメントのひとつであるのにも関わらず、性能面も90時間パワーリザーブに日差+/-10秒の精度と必要十分です。
メンテナンスフリーと謳われていますが、実質使い捨てのムーブメントですね。
プラスチック製ケースだからか静かなところでは、内部のムーブメントのチッチッチッチッ...というハイビート音が聞こえてきます。時計好きとしては楽しいポイントのひとつですよね。
着用レビュー
ケースサイズは42mmと私が所有している時計の中でも大きい部類ですが、素材が軽いプラスチックのため全く気になりません。シリコン製の肌触りのいいストラップも着用感を上げるのに役立っているように感じます。
防水性能は30mあるため、日常生活の水回りでの使用についても問題ありません。夏場の汗もカバーできますね。
出典: Hodinkee
落ち着いたケースカラーは、ブラックのジャケット、ツイードのコートやデニムジャケットなど幅広いファッションに合わせることができます。
G-SHOCKをスーツに合わせるのと同様にスウォッチをスーツに合わせるのは少し邪道な感じがするかもしれませんが、逆にファッション性が高くお洒落な雰囲気になるかもしれませんね。
総評
ブルーのプラスチック製ケース、ブルーのシリコンストラップにブルーグレーの文字盤と全体的に非常にミニマルにまとまったデザインが印象的なモデルでした。
プラスチック製のためやはり玩具っぽさを感じる部分は多くあります。特にリューズを巻き上げたときの音は安っぽい感じですが、スウォッチとはそういうものなのでこの時計に求める部分ではないでしょう。
機械式時計初心者の方の普段使いの一本として、時計コレクターの遊びの一本として万能なモデルです。私にとって初めてのスウォッチとなりましたが、平日休日問わず活躍してくれそうです。
HODINKEEブルーエディションは、限定モデルというわけではありませんが、在庫がなくれば手に入れる手段は無くなります。昨年のHODINKEEコラボモデルも手に入れようとも思ったのですが、在庫が無いため手に入れることはできません。気になっている方はお早めに。
手に入れるには、HODINKEEの公式ページかSwatchの公式ページ、そしてもしアメリカにいるのであればニューヨークのスウォッチタイムズスクエアストアでも購入可能です。
基本情報
ブランド: Swatch(スウォッチ)
モデル:Sistem51 Blue Edition for HODINKEE(システム51 ブルーエディション フォー HODINKEE)
リファレンス番号: SUTZ404
ケースサイズ: ケース径 42mm / 厚さ 14mm
ケース素材: プラスチック
防水性: 30m
ムーブメント情報
キャリバー: Sistem51
パワーリザーブ: 90時間
駆動方式: 自動巻
振動数: 3hz 21,600振動/時
石数: 19石
価格
定価: 150ドル / 約17,000円